hueLe Museum

Collaboration Works - LIVE PAINTING “色をほどく” feat. Kaede Moriyama | hueLe Museum |

Collaboration Works - LIVE PAINTING “色をほどく” feat. Kaede Moriyama | hueLe Museum |
L/Journal
Collaboration Works
Vol.16

LIVE PAINTING
“色をほどく”

Artist

Kaede Moriyama

2025.10.25

NEWoMan高輪の新店舗に
森山楓の花が咲き誇る

hueLe Museumの新店舗が9月12日、ルミネ史上最大規模施設「NEWoMan高輪」南館 3Fにオープンした。そして一般オープンを前に9月10日、まだ真新しく無機質な壁に、ペイントアーティスト・森山楓さんによる華やかな絵が施された。メディア内覧で行われた一発勝負のライブペインティング。しかし彼女は時に大胆に直接手に絵の具をつけてペイントし、時に繊細に筆に色をとって描きながら、多くの人が行き交う場の空気を堪能しているように見えた。
「とにかくライブペインティングをするときはいつも楽しんでいます。事前に下絵を描いて臨みますが、見てくださっている方の声を聴きながら、その時の空気感による感情をプラスして完成させていきます。NEWoMan高輪という最新の施設に集まった素敵な人々を前に、いつもより少し興奮しながら描いていて、当初よりもちょっとピンクが多めになりましたね(笑)」(森山さん) 美しい色の世界に足を止める人々。それを彼女自身が全身で楽しみ、刺激を受けながら描いていく姿が印象的だ。

色をほどき、心がほどける

今回の店舗コンセプトは、“色をほどく”。一見すると無機質でミニマルなコンテンポラリー空間は仮想のMuseumとなっていて、淡い色とやわらかい曲線で造られた壁や柱で造られている。そこに森山さんはビビッドな色を使いながら、美しく流れるような花々を咲き誇らせた。
「生きていれば大変なこともあるけれど、そんな中でも素敵なお洋服を見て何か気持ちが動いたり、絵を描いた空間に足を踏み入れたら、かたくなった心がほどけてくれたらいいなと思っています。お客さまの気持ちがやわらかくなってもらえたら嬉しいですよね」
彼女が描いた絵の色の一部がライトピンク、ライトブルー、ライムグリーンへとほどけていき、3色が混ざり合うことで店舗のベースカラーであるライトグレーへと変化していく。このほどかれた色によって、訪れた方の心をやわらかく動かす。これこそが、hueLe Museumが想い描いたテーマだ。やわらかくも生命力ある絵が宿った空間に身を置けば、気持ちがほどかれ、力が湧いてきそうだ。

森山さんは普段絵を描くとき、最初は好きなように描いていき、その後何故この絵になったのかを読み解いているのだそう。
「今回はあまり多くのオーダーはありませんでしたが、ブランドの考えを丁寧に話していただき、それを一度自分の中に入れる作業をしてから臨みました。クライアントワークであったとしても、私との感情が重なるところでしか描けない。ブランドの想いからどんな方たちに広がっていくものなのか、相手が見えてきて、そこから描いていくイメージです」
森山さんらしい表現によって、ブランドが昇華した。これこそがコラボレーションであり、アートを大事にしたhueLe Museumが辿りついたところだ。

出産・育児で生まれた、新たな色

実は今年に入り、初めて出産を経験した森山さん。『しばし育児に奔走し、また夏ごろから制作再開したいなと思っています』、そうインスタグラムで報告した。  「早くも半年経って、とても可愛い時です。少しずつ子供のいる生活に慣れてきて、絵を描くこともできるようになってきました。子供が生まれてから描く時間が変わったのは自分にとって大きな変化ですね。これまでは夜に描いていたのですが、どうしても育児をしていると日中しか描けない。おかげで朝の美しい光の中で、明るい絵を描くようになりました。その方が体にもいいはず!まだはっきりとはわからないけど、パステル調の色を手にすることが多くなった気がしています」
妊娠中はこれから先に絵を描くことができるのかと不安が続いたそうだが、出産したら晴れやかな心とともに描くことが楽しくなったという。
森山さんの作品をSNSで見ながら、そんな変化を楽しんでみていただきたい。

とはいえ、やはりしんどい時には黒っぽい色を手に取り、常に気持ちに左右されながら描く日々だそう。
「そもそも、画家になりたくてなったわけではないんです。好きな絵がやめられなかっただけ。今でも“楽しい!”が続いているだけなのですが、やはり全てが絵に反映されるので、苦しいこともたくさんあります。時に辞めたくなることもありますが、結局自分は表現することを一生やめることはないだろうと思っています。あるとき、表現とは必ずしも絵を描くことではなくて、例えば縫い物とか料理とか…、何でも良いのではないかと思ったんです。だとしたら、あえて絵を辞めなくても良いのではないかと、少し肩の荷が降りた瞬間がありました。これからも絵を描いていきたいですね」

自分の中に潜む、ピンクと花

森山さんの作品には、花が多く現れる。 「実は20代前後でしょうか、人物画を描いていた時期がありました。でも気がついたら暗くてうつむいた人ばかりになってしまっていたんです。そこには自分の辛い気持ちが反映されているんでしょうが、描いているとさらに気持ちが落ちていってしまいました。その息抜きで花のような抽象画を描くようになったんです。自然と気持ちが楽になっていった気がします。最終的には人物にも色が出てきましたが、結局もう人物は描いていません。というか、描けなくなってしまいました。花が自分の気持ちを表現するのにマッチしていたのだと思います。その時の自分の中にあるものが花として現れるようなイメージです」
今の森山さんが放つやわらかく明るい印象からも、そのことが伺える。花の持つ生命力とやさしさが、彼女の表現と重なっているのだろう。

では、今回のライブペインティングで多めになったというピンクは、森山さんにとってどんな色なのか。
「実はこれまで、ピンクはあえて避けていた色なんです。女性らしすぎるというか…。小さい頃から“女の子のピンク!”みたいな風潮にどうしても慣れなくて。でも大人になってから選び取るピンクはまた全然違って、意思があるような気がしています。どんな色でも良いのですが、自分の中に一色、持っていたら強くなれるものがあるといいですよね。ライブをしたとき、皆さんのエネルギーを感じながら、ピンクを手に取ったのだと思います」

芸術の秋に、アートを纏う

今回はライブペインティング以外に、オープニングコラボ企画として、森山さんがハンドペイントを施した一点もののアイテムの販売も行っている。シャツやデニムパンツ・ジャケット、トートバックと、様々に楽しめる。一つとして同じ絵は存在しないというわけだ。
「私のお気に入りはボウタイのシャツかな。リボン部分が歩いていると風になびくので、絵が見え隠れする感じがとても気に入っています。絵が主役ではない、お洋服のデザインを違った角度でどう美しく見せることができるか…、大まかにはイメージを考えながらも、一発で描いていきました。あまり深く考え過ぎても難しいんです。とても良い生地だったので、裏移りもせず、気持ちよく描くことができましたね」

hueLe Museumが掲げる「ファッション×フラワー×アート」というテーマのもと、アートを纏うという行為によって、皆さんの心を動かしたい。そう願って完成したのがスタイリングをドレスアップしてくれる、美しいアイテムたち。
アートを身近に感じることで、生活はぐっと豊かになるはずだ。芸術の秋に、アートを纏おう。

森山楓 (もりやまかえで)

1992年生まれ。宮崎県出身。大分県在住の画家。
アクリル絵具と透明水彩を用い、「心のずっと奥にある感情」をテーマに作品を制作。
作品展示の他、アパレルブランド や、財布ブランドとのコラボ、服やバッグに絵を描くオーダーペイント、音楽と共に表現するライブペインティングなどを行っている。

Videographer : SHUN AOKI
Editor : SAHOKO SEKI

MORE CONTENTS

    前へ
    一覧へ戻る
    次へ